トップアスリート×世界トップレベルの研究者による上達の秘訣(前編)

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先日、熟達化研究の第一人者であるエリクソン博士、杉山愛選手、為末大選手、水島選手(体操)、山縣選手(陸上)といったオリンピアンやスポーツにおける各分野トップの研究者を交えたシンポジウムに参加してきました。

めちゃくちゃ豪華でした。過去にこれほどまでに豪華なイベントはないと思います。

一般的に一流のアスリートと一流の研究者が意見を交わす機会はほとんどないのです。

これは問題視されていることなのですが、アスリートは
・現場でいかに上達するかを求める
・人によって上達の仕方が違うので一般化できない
・その人にあったやり方を現場でスピーディーに見つける必要がある、

それに対して研究者は
・スポーツのスキルを一般化する
・現場ではなく実験を通して結果を出すのでスピーディーさが現場に向いていない

といった逆の傾向があるので、なかなか研究の成果を現場に持っていくことはされていないのです。

これを機会に、ぜひ研究と現場が相互作用で活かされると良いなと個人的には思います。
今後も継続して開催していきたいと最後に言ってたので、期待大です。

アスリートの赤裸々な本当に貴重な話をたくさん聞けたので、上達する方法に関して特に印象に残ったことを前編、中編、後編に分けて紹介します。

どんな練習方法が良いのか?

A.限界をわずかに超えたところまで練習する。

新しい技術を習得するのに効率的な方法としてオーバートレーニングがあります。(一般的に言われているトレーニングのしすぎでパフォーマンスが低下するという意味でのオーバートレーニング症候群とは違います。)

例えばテニスのスイングでワイパースイングというスキルがあります。 そのスイングを体に覚えさせるためには習得できたと思った所で(50回打ったところでできるようになったなら)もう50回同じ練習をします。

そうすると習得できたと思ってやめたときと比べて、より体に覚えさせることができます。
このオーバートレーニングは新しい技術を習得する上で効果がある、ということが研究で分かっています。

これは以前別の機会で学んだことなのですが、エリクソン博士も「限界をわずかに超えたところまで練習する。」ということを言っていました。

ここで注意すべきことはただいたずらに時間を使って練習すればいいということではないということです。

「限界を超えたところまで」ということが非常に重要なようです。

初心者が習いたての頃はかなりの努力を要します。しかしある程度上達してくると、上達度合いが止まるときが必ずきます。
そうすると習いたてのときに比べると努力をしようとしない、つまり限界を超えたところまで練習するということがなくなるのでずっと上達の壁にぶつかったままになってしまいます。

これが中級者から一歩抜け出ることができない理由だと思います。プロはみんなここを抜けでるくらいの練習をしているんですね。

上達において最も大事なことはなにか?

A.メンタルリプレゼンテーションを鍛える。

メンタルリプレゼンテーションはシンポジウム中に最も連発されてたワードで、今回エリクソン博士が最も主張したかったことだと思います。これは何かというと自分のプレイを俯瞰をしつつ具体的にイメージできるかどうかということです。

例えば実際に行ったサッカーのあるシチュエーションを映像で見せます。映像を途中できってもどこに誰がいるかイメージができると、自分のプレイを自らフィードバックすることができ、これが上達への鍵となります。

子供のときであれば、コーチや教える人がどこが悪いのかということを教えてもらえば良いのですが、レベルが上がれば上がるほど、大人になっていくほど、自分で考えてプレーする必要があります。
このときに自分のプレーを内省するスキルを持っていないと何が悪いのかのフィードバックができず上達が望めないのです。

このメンタルリプレゼンテーションを鍛えることがいかに大事かということをエリクソン博士は話していました。 例にもあげたようにプレー中の映像を取って、イメージをする訓練をすると鍛えられるようです。
プレー中の映像をどう使えばいいのかはどんなコーチも悩むところではあるんですが、イメージさせるために使うのは有効な方法です。

予告

まだまだあるので、中編は以下の4つを紹介します!
・トップアスリートが考えるモチベーションとは?
・良いコーチとは?
・いつから始めてもトッププロは目指せるのか
・1万時間の法則は実はウソ?

そして後編は以下の3つを予定!
・ハードな練習をこなすためにはどうすればいいのか
・世界で活躍するトップアスリートになるための必要な知性とは?
・最高の頭脳を持ってる選手は誰か?サッカーと将棋の共通点

ぜひお楽しみに!

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この記事の著者

岡田 大誠WEBデザイナー

株式会社だんきちでデザイン、WEB周りを担当しております。
温泉が好きです。最近スラックラインを始めました。
夏はスイカばかり食べています。

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